■道のエコミュージアムとは

道のエコミュージアムは、道筋や街並みが移り変わるなか道に関わる歴史、伝統、文化、産業、土木技術などを見直し、守り、育て、伝える運動です。
時の流れは、人を「自分の足で歩く」から「車で移動する」に変えてきました。道筋も変わり、昔は3時間かかった難所を3分で通り抜け、道をたどる人の思いも変わりました。しかし、時にはわらじで歩いた先人を感じることも大切ではないでしょうか。
幾多の文人のつぶやきや大名行列のかけ声、あるいは墨客の見た景色を実感できるかも知れません。また、明治以降の最新の土木技術、地域を支える交通に力を注いだ人々の勢いが伝わってくるでしょう。

道のエコミュージアムのわらじと靴のマークは、この運動の趣旨に賛同していただいた グラフィックスデザイナー岩崎堅司氏(静岡市出身)がデザインしたものです。

道のエコミュージアム

 

1)道のエコミュージアムの基本的な考え方

古代から現代までの道を保全し、継承する
 
道資源を活かし学ぶプログラムを提供する
 
道の多様な価値を発信する

 

※エコミュージアムとは
エコミュージアムとは、60年代後半にフランスの博物館学者アンリ・リビエールが構想した新しいタイプの博物館のこと。

●道のエコミュージアムのロゴマーク                          ●学びポイントを示すマーク
ロゴの説明

 

2)学びの仕組み

静岡県富士宮市朝霧地域

★道の駅(ガイダンス)
 ■看板やパネルなどから道のエコミュージアムの存在や仕組みを知り、
   基本的な価値を理解する
   ・看板の設置(道の駅)・パネルの設営

道の駅
道の駅

★道の駅(選択・資料収集)
 ■ルートの特徴を理解し、選択する。
 ■ルートごとの説明資料により、道をキーワードにした宇津ノ谷の歴史的、
   文化的資源について学ぶ
   ・ルート説明資料(マップ)

道の駅   
道の駅

★ルート散策
 ■散策ルートを設定する
 ■ルート説明資料により、ルート沿いの資源番号ごとの説明を理解しながら散策する
 ■ルート沿いの資源ポイントには、既存看板の活用、道エコのマーク付簡易説明資料
   あるいはQRコードが掲載シートを配置する
   ・既存看板への表示(ロゴマークつき)
   ・簡易説明シート(マークつき)
   ・QRコード表示

 

3)道のエコミュージアムの経緯

●道の往来文化を活かしたまちづくり活動 安倍川から朝比奈川の一帯では、古代から現代までの様々な道や施設が現存し、往来の文化が息づき多くの観光客やウォーカーが訪れています。 宇津ノ谷峠周辺では、20年間ほど宇津ノ谷地区の集落整備、散策道の整備を行うなど歴史や文化を活かしたまちづくりを推進してきました。景観に配慮したまちづくりを進めています。

宇津ノ谷峠
宇津ノ谷峠


●道のコミュニティカレッジの実施(学びの仕組みづくり)
市民レベルでは、みちの静岡コミュニティシンクタンク(事務局:NPO法人地域づくりサポートネット)が国土交通省と協働で平成15年度より宇津ノ谷峠周辺において、道の歴史や技術、景観デザイン、地域の自然や歴史文化について学ぶ「道のコミュニティカレッジ」を開催してきました。

宇津ノ谷峠
宇津ノ谷峠

 

●道のエコミュージアム検討会議
そのような中で平成19年度には、学識経験者・行政(国・県・市町)・道の駅関係者、NPOなどにより“宇津ノ谷峠”をモデルに「道のエコミュージアム検討会議」を設置し、基本理念、方針、仕組みの内容を検討してきました。
エコミュージアム会議